長い文章を載せる用です。自意識過剰です。

ノンフィクションのあたしとフィクション

紛れもなく私の青春だったし、振り返るとそこにいる身近な存在。もう少女じゃないし、今はもう青春なんて呼べない日々を送っているけど、とても特別な存在。だけど、あなたは私とはかけ離れた存在だった。かけ離れた存在なのに、どうして私と同じ気持ちなのか不思議だった。少女に仮託して人のネガティブな感情を歌っていたのかもしれないが、それだけではない。

あたしフィクションを聞いて、ああ、アーバンギャルドは私に必要なフィクションだったのだと気付いた。私の過ごした青春を、あなたは経験していないけれど、私は、あなたの青春と私の青春を重ねていたのかもしれない。私は恋してないし、セーラー服は脱がないし、エイズ検査に行ったこともない。アイドルでもないしリスカも自殺しようとも思ったこともないけれど、私と同じ気持ちのあなたが救いだった。曲を聞くたび、「私の私」と「あなたの私」の二重生活のような、パラレルワールドにいる「もう一人の私」のように感じていたのかもしれない。そんなあなたが、まだまだ私だけのフィクションでいてくれることがとても嬉しい。レコードの割れるような口づけで始まった私たちだけど、まだまだこの唇を離す気はないから。

呼吸が世界とキスすることならば、私はあなたという世界で窒息死したい。息が苦しくなるほど、永遠のように長い口づけをください。